お年寄りが人生を語ることの意味
「人生でつらかったこととか、
うれしかったこととか、
なんもかんも言うてしもうた。
そしたら、スッキリしたね」
あるお年寄りからお話を聞いたとき、
そんな感想をいただきました。
また別の方は「いろいろあったけど、
こういう人生もあっていいのかな」
とご自分の人生を振り返られました。
お年寄りが過去を語ることは、
その人生を語り直すということです。
もちろん、過去に起こった
人生の出来事は変えられません。
その中には、
悲しかったこともあるでしょう。
年齢を重ねるほど、
喪失を体験する確率も高くなります。
それでも、生きていくためには、
人は物語を必要とします。
人生の数々の出来事を再編集し、
人生を再構成することで、
人生の見方や、世界の見方を
変えることができるからです。
お年寄りにとって語ることの意味は、
そういうところにもあるのかもしれません。
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